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支払サイト・運転資金計算ツール:掛け売りを始めるといくら資金が要るか
· Nolyn リサーチチーム
ネットショップが小売店やセレクトショップへの卸(掛け売り)を始めると、売ってから入金されるまでの日数が延び、そのあいだの仕入れ代金と在庫を自分の資金で立て替えることになります。このツールでは、月商・原価率・入金と支払の条件(支払サイト)・在庫日数から、入金までの平均日数、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)、必要運転資金を計算します。計算はブラウザの中だけで行い、入力した数字は送信されません。
支払サイトとは?掛け売りで運転資金はいくら必要?
2026年10月28日に確認した公正取引委員会のリーフレットでは、取適法の対象取引(製造委託など)の支払期日は物品の受領日から最長60日以内で、2026年1月1日以降に発注した取引では手形払いが禁止です。支払サイトは締め日から支払日までの期間で、月末締め翌月末払いなら30日、売ってから入金までは平均45日・最長60日です。月商300万円・原価率60%のネットショップが卸先に月末締め翌月末払いで掛け売りし、仕入れは前払い、在庫が60日分なら、必要運転資金=売上債権450万円+在庫360万円−仕入債務0円=810万円です。
支払サイトと運転資金を計算する
無料・登録不要・ブラウザ内で計算し、入力内容は送信・保存されません。
掛け売りの分だけを見たいときは、卸先への月の売上だけを入れます。
売上に対する仕入れ原価の割合。仕入れ代金の支払いと在庫の金額の計算に使います。
モールや決済会社の入金サイクルは、近い条件を選んでください。
1688や海外の工場からの仕入れは前払いが多いので「現金・前払い」を選びます。
在庫回転日数。輸入なら、代金を払ってから届くまでの日数も足します。
- 入金の支払サイト(締め日から入金まで)
- 30日
- 売ってから入金までの平均日数
- 45日
- 仕入れてから支払いまでの平均日数
- 0日
- キャッシュコンバージョンサイクル(入金日数+在庫日数−支払日数)
- 105日
- 売上債権(売掛金)
- ¥4,500,000
- 在庫(棚卸資産、原価)
- ¥3,600,000
- 仕入債務(買掛金)
- ¥0
- 必要運転資金(売上債権+在庫−仕入債務)
- ¥8,100,000
- 月商が100万円増えたときに追加で要る資金
- ¥2,700,000
卸す前に、その商品の売れ行きを調べる
在庫日数を短くするには、売れる商品を選ぶのが近道です。Amazon.co.jpの似た商品の価格帯とレビュー数をNolynが調べます。ログインが必要で、新規アカウントは100クレジット付きです。
支払サイトとは:締め日から支払日までの日数
支払サイトは、取引代金の締め日から実際に支払う日(入金される日)までの期間です。月末締め翌月末払いならサイトは30日(1か月)です。売る側から見ると入金サイト、買う側から見ると支払サイトと呼ぶこともあります。
月末締めの場合、月初に売った分は締めまで約30日待ち、月末に売った分はすぐ締まるので、売ってから入金までの日数は平均で「15日+サイト」、最長で「30日+サイト」です。このツールは1か月を30日、売上が月の中で均等として計算します。
| 条件 | 支払サイト | 取引から入金まで(平均) | 取引から入金まで(最長) |
|---|---|---|---|
| 月末締め翌月10日払い | 10日 | 25日 | 40日 |
| 月末締め翌月末払い | 30日 | 45日 | 60日 |
| 月末締め翌々月10日払い | 40日 | 55日 | 70日 |
| 月末締め翌々月末払い | 60日 | 75日 | 90日 |
1か月を30日として計算。実際の日数は月の長さと土日祝日の扱いで前後します。
運転資金の計算式
日本政策金融公庫の「経営改善計画書策定の手引」では、運転資金=売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産(在庫)−仕入債務(買掛金・支払手形)です。手引の例では、売上債権500・棚卸資産300・仕入債務400で、運転資金は400です。同じ手引は、業種にもよるものの、月商分程度の現金預金を持っておくことが望ましいとしています。
このツールでは、売上債権=月商×入金までの平均日数÷30、在庫=月商×原価率×在庫日数÷30、仕入債務=月商×原価率×支払いまでの平均日数÷30で出しています。日数で表したものがキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)で、入金日数+在庫日数−支払日数です。
- 必要運転資金=売上債権+棚卸資産−仕入債務
- 売上債権回転日数=売上債権÷月商×30(このツールの「入金までの平均日数」)
- CCC=売上債権回転日数+在庫回転日数−仕入債務回転日数
- 月商が増えたときの追加資金=増えた月商×(入金日数+原価率×(在庫日数−支払日数))÷30
卸先への掛け売りを始めると資金はいくら要るか
月商300万円・原価率60%、仕入れは前払い(1688などの輸入)、在庫60日のネットショップで、入金条件だけを変えて比べました。全部を現金・前払いで売れば運転資金は在庫分の360万円ですが、卸先に月末締め翌月末払いで売ると810万円、翌々月末払いなら1,110万円に増えます。
掛け売りは売上が増えるほど資金が足りなくなります。月末締め翌月末払いなら、月商が100万円増えるたびに270万円の追加資金が要ります。黒字でも入金前に仕入れ代金が払えなくなる「黒字倒産」は、この差で起きます。
| 売上の入金条件 | CCC | 必要運転資金 | 月商+100万円で追加 |
|---|---|---|---|
| 現金・前払い | 60日 | 3,600,000円 | 1,200,000円 |
| 月末締め翌月末払い | 105日 | 8,100,000円 | 2,700,000円 |
| 月末締め翌々月末払い | 135日 | 11,100,000円 | 3,700,000円 |
Nolynの計算例。月商300万円・原価率60%・仕入れ前払い・在庫60日。
運転資金を減らす3つの方法
1つ目は仕入れの支払条件です。同じ例で仕入れを月末締め翌月末払いにできれば、仕入債務が270万円生まれ、運転資金は810万円から540万円に下がります(CCC 60日)。国内の問屋やメーカーとの取引なら、取引実績ができた段階で掛け仕入れを相談できます。
2つ目は在庫日数です。在庫を60日分から30日分に減らすと、運転資金は630万円になり、仕入れも翌月末払いなら360万円(CCC 30日)まで下がります。在庫回転日数は在庫回転率計算ツールで出せます。
3つ目は入金を早めることです。新規の卸先は最初の数回を前払いや代引きにする、締め日を月2回にする、カード決済や請求書払いの代行サービスを使う、などがあります。代行サービスの手数料は粗利から引かれるので、利益率計算ツールで手残りを確かめてください。
取適法(旧下請法)の60日ルール
2026年1月1日から、下請法は取適法(中小受託取引適正化法)に変わりました。公正取引委員会のリーフレット(令和7年10月)によると、対象取引の支払期日は、発注した物品等を受領した日から起算して最長60日以内です。同日以降に発注した対象取引では、手形による支払いは違反(支払遅延)になり、電子記録債権やファクタリングも、支払期日までに代金満額相当の現金を得ることが難しいものは違反です。振込手数料を受託側に負担させて代金から差し引くことも、合意の有無にかかわらず違反(減額)です。
対象になるのは製造委託などの取引で、完成品を問屋から買うだけの取引は通常含まれません。ブランドがOEM工場にPB商品の製造を委託する場合などは対象になりえます。取適法では資本金の基準に加えて従業員数の基準(製造委託等は300人)も設けられたため、自社が委託側・受託側のどちらで、対象になるかを公正取引委員会のサイトで確かめてください。
1か月を30日とすると、月末締め翌月末払いは受領から最長60日、翌々月10日払いは最長70日、翌々月末払いは最長90日です。実際の日数は月の長さで前後するため、対象取引で月末締めを使う場合は、公正取引委員会の運用基準で扱いを確かめてください。
掛け売りを始める前の資金の確かめ方
卸先の支払条件を確認する
締め日と支払日を聞き、売ってから入金までの平均と最長の日数を出します。
仕入れの支払条件と在庫日数を入れる
仕入先への支払条件と、仕入れてから売れるまでの在庫日数を入れます。
必要運転資金と手元資金を比べる
必要運転資金が手元の現金預金で足りるか、月商が増えたときの追加分も含めて確かめます。
足りなければ条件を見直す
仕入れの掛け払い、在庫の削減、卸先の前払いや締め日の変更で、CCCを短くします。
よくある質問
支払サイトとは何ですか?
取引代金の締め日から支払日までの期間です。月末締め翌月末払いならサイトは30日で、売った日から数えると入金まで平均45日・最長60日かかります。
掛け売りとは?売掛金とどう違う?
掛け売りは、商品を先に渡して代金を締め日のあとにまとめて受け取る売り方です。まだ受け取っていない代金が売掛金(売上債権)で、掛け売りが増えるほど売掛金が増え、その分の運転資金が必要になります。
必要運転資金の計算式は?
必要運転資金=売上債権+棚卸資産(在庫)−仕入債務(買掛金)です(日本政策金融公庫の手引)。月商300万円・原価率60%で、入金まで平均45日・在庫60日・仕入れ前払いなら、450万円+360万円−0円=810万円です。
キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とは?
仕入れ代金を払ってから売上が入金されるまでの日数で、入金日数+在庫日数−支払日数です。上の例では45日+60日−0日=105日です。短いほど少ない資金で回せます。
支払サイトは60日を超えてもいい?
取適法の対象取引(製造委託など)では、支払期日は受領日から最長60日以内です(公正取引委員会、2026年10月28日確認)。対象外の売買なら当事者の合意で決めますが、月末締め翌々月末払いは最長90日になり、売る側の資金負担は大きくなります。
2026年から手形払いはできない?
取適法の対象取引では、2026年1月1日以降に発注した分から手形による支払いは違反(支払遅延)です。電子記録債権やファクタリングも、支払期日までに代金満額相当の現金を得にくいものは違反になります。
出典
- 公正取引委員会 取適法リーフレットNo.01「トリテキ法の確認ポイント ー代金編ー」(令和7年10月:支払期日は受領日から最長60日以内、手形払い・振込手数料の負担の禁止) · 2026年10月28日 確認
- 公正取引委員会「取適法・振興法」(令和8年1月1日施行、従業員数基準の追加) · 2026年10月28日 確認
- 日本政策金融公庫 国民生活事業「経営改善計画書策定の手引」(運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務、月商分程度の現預金) · 2026年10月28日 確認
